最新の物流機器・システム・情報などが一堂の集結する「国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」に出展した折りたたみコンテナ関連企業のレポートです。
アジア最大級の物流・ロジスティクスに関する展示会だけあって会場の東京ビッグサイトは平日でもかなりの来場者数に。
注目されているブースはAI技術などを駆使した物流ピッキングシステムで、小型~大型の最新機器・設備をブースでそのままデモンストレーションを行う大掛かりなシステムが目立っていました。
折りたたみコンテナ企業では大手の三甲と岐阜プラスチック工業が大きなブースで新商品やイチ押しの商品~最新の取り組みなどを紹介、
折りたたみコンテナは物流に欠かせないアイテムなので他社の最新ロジスティクスシステムでも50Lサイズの折りたたみコンテナを使ったシステムが多くみられました。
国際物流総合展2022サンコー(三甲株式会社)のブース
折りたたみコンテナの大手サンコーブースはかなり大きく、ブース正面ではサンコー製品を使った様々なデモンストレーションを開催。
折りたたみコンテナ関連では最大規模のブースでスタッフも来場者もかなりの人数です。
循環型コンテナを大々的にアピール
サンコーのブース正面で大々的にアピールしていたものが循環型の折りたたみコンテナ。
これは花王とコストコ、花王とカインズが共同で始めた循環型梱包材の取り組みでニュースにもなりました。
花王×コストコ、花王×カインズで使われている折りたたみコンテナは似ているけど種類が微妙に違う…と思っていたらサンコーが製造していた製品ということ。
種類とサイズが異なる理由はコストコとカインズで使われるパレットの大きさに合わせる為。
コストコで使われるパレットはサンコーのSPR H4-12(CO)、カインズではサンコーリースのレンタルパレットS.P.Rシリーズが使われていました。
カインズで使われる循環型の折りたたみコンテナはフタもあるタイプ。使い勝手がよさそうなのはカインズの方かな?と思います。
従来の製品~改良した製品を展示
サンコーブースでは従来品から改良した折りたたみコンテナを展示、スタッフの推しはサンコーのオリコン、マドコン、サンクレットなどの従来品など。
その他に発泡スチロールとPP素材を使った保冷の折りコン「コールド折りコンEP34B」やペシャンコになる買い物カゴなどの製品も。
スライダーパネルが優秀
サンコー製品の中でもコレは優秀!と思ったのがスライダーパネル(品番5355)、これは床に敷くことで折りたたみコンテナを滑りやすくするパネルです。
実際にやってみると折りたたみコンテナが丁度よい加減で滑る、重量がある大きな折りたたみコンテナも手押しで滑らすことが出来るように。
スライダーパネルを敷くことで、いちいち台車に乗せずに折りたたみコンテナを移動できるメリットはかなりのもの、実に優秀なアイテムです。
サンコーの折りたたみコンテナは他企業のブースでも使われまくっている
折りたたみコンテナ大手のサンコー製品は他ロジスティック企業のブースでもかなり使われていました。
サイズは50Lを中心としたものが多く、やはり物流現場のプロが選ぶ使い勝手が良いサイズなのだと実感です。
国際物流総合展2022岐阜プラスチック工業のブース
岐阜プラスチック工業のブースはサンコーと離れたエリア。
似たような製品が多いので違うエリアでのブースは分かりますが、岐阜プラスチック工業のエリアは重工業企業が集まるエリアなので少し浮いてる感じ。
それでも岐阜プラスチック工業は新製品を多く展示してあり、サンコーとは違った見せ方をしていたのも特徴的でした。
折りたたみコンテナのフタを雨どい構造にした新商品「CY-S51NR」
屋外でフタ付きの折りたたみコンテナを使用した際、雨水がフタに溜まってしまい開けた時に水が中に入り込んでしまう、濡れた折りたたみコンテナの雨水ふき取りが面倒…
といったユーザーの声に答えてフタに雨どい構造を加えた新商品「CY-S51NR」が登場しました。
観音開きのフタに傾斜をつけた雨どい構造を加えることで水を誘導、折りたたみコンテナ内への水侵入を軽減する機能があります。
またフタに方向性を持たせない1本線フタにすることで左右どちらからでも閉められるように。フタの圧縮強度もUPした新製品です。
まっすぐスタッキングできるコンテナキャリー「RSキャリー53・37SSⅢ」
コンテナキャリーのスタッキング(段積み)時にキャスターよる不安定さを解消した新製品が「RSキャリー53・37SSⅢ」
丸い窪みをつけることでスタッキング時にキャスターがどんな方向で乗っても凹凸がサポートすることで安定したスタッキングが可能に。
これで倉庫や工場の現場でスタッキングしたキャリーがガッシャーン!と崩れにくくなる画期的な構造のキャリーが登場しました。
高品質・高性能な台車「スタイリス」
スタイリスの特徴は6か所の天板すべり止め、キャリーケースのように運べる(持ち上げなくてよい)、天面全面に乗せられるオフセット構造、ダブルベアリングによる清音キャスター採用など。
スタイリスを実際に使ってみると確かに高品質・高性能な台車。
岐阜プラスチック工業のスタッフさんの熱がこもった商品説明にも感動しました。
その他コンテナ関連ブース
「国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」では折りたたみコンテナ関連の企業が多く出典しており、中でも注目した企業がピッキングロボットの「ラピュタAMR」と折りたたみコンテナ洗浄の「株式会社クレオ」です。
ラピュタAMRは当サイトでも取り上げた50Lサイズの折りたたみコンテナを2つ乗せるピッキング支援ロボット
コンテナ洗浄のクレオに至ってはブースに洗浄機一式を設置してばんじゅうコンテナ洗浄させ続けるデモンストレーションを行う迫力!
「ラピュタAMR」のブース
ラピュタAMRのブースでは、ラピュタAMRの実機が4台ほど実際に稼働した状態に。それはブースへの来場者がいる状態で稼働しているので実際の運用シーンがイメージできる展示会場でした。
けっこう人がいても避けて動くラピュタAMR、サンコーの折りたたみコンテナが2個しっかり搭載されている優れもの!
ラピュタAMRの動きはスムーズ、人が歩く程度の速度なのでぶつかっても大きな怪我になりそうな感じはしませんでした。
ラピュタAMRの周りを人が囲んだり、進行方向に人がいると自動で停止するように。私が写真撮影してる時も止まって待ってくれてます。
株式会社クレオのブース
株式会社クレオのブースは、ブース全体にコンテナ洗浄機器を設置しているようなもの。ブースの外から見るとそこだけ工場のような雰囲気でかなりの迫力があります。
ブース内ではコンテナ洗浄がエンドレスで行われている状態、それは正しく”現場そのもの”であり、導入を検討している企業にとって見ごたえがある内容になっていました。
拡大するEC市場に対応する労働力不足の対応や環境への取り組みが目立つ国際物流総合展2022
アジア最大規模の物流・ロジスティクス展示会として開催された「国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」の全体を見ると、拡大するEC市場に対応するべくAIや機械を使った物流システムが注目を集めていました。
とくに大企業や重工業企業のブースでは、大規模な物流システムと物流ソリューションを組み合わせたロジスティクスパッケージを提案するものが多く、全体を通じて労働力不足への対応が一つのテーマになっているように感じました。
もう一つのテーマである環境への取り組みに対応した企業のブースも多くみられましたが、会場の雰囲気的に環境への取り組み対応製品は一応チェックするけどあまり興味が無さそう…といった感じも。
これは展示会への来訪者よりもブースの出展企業側の方が感じているかもしれません。
小規模な物流システム・ソリューション関連ブースに人が多い
大企業が出展する大きなブースは華やかそのもの、スタッフも多く出典する機械も大掛かりで4日間開催されるブースの設置・運用費用だけで数千万かかっているのは素人目にも分かるほど。億ってるであろう大企業もありました。
そのような大企業ブースは人が多く集まってはいますが、実際に営業マンと話し込むシーンが多く見られたのは小規模な物流システム・ソリューション関連ブースです。
やはり設備投資額で考えると小型のAIロボ等を導入したシステムの方が圧倒的に安く、導入までの期間も短いことを考えの現実路線ということでしょうか。
そのような訪問者側の企業が考えていることは、やはり労働者不足の解消と業務の効率化による利益の確保なのかな?と感じる「国際物流総合展2022 Logis-Tech Tokyo 2022」でした。
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